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小学校の先生です。特別支援学級で子どもたちと楽しく過ごしています。日々感じたことを綴っています。通常学級の経験もあり

読書記録②『脳からわかる発達障害』

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読書記録②『脳からわかる発達障害

 

今回は、第2章 脳機能から理解するLDの子どもたち

まず、最初のページでディスクレシアを感覚的に体験した。

 

せまんてぃっくぷろせっしんぐおぶあわあどいずふぁんだめんたるとぅうどそしあるぱあせぷしょんざぷれぜんとすたでぃしょうどざっとちるどれんうぃずはいふぁんくしょんぴいでぃでぃでぃどのっとゆうずあせまんてぃっくす

 

何が書いてあったかわかっただろうか。

ディスクレシアとは

文字を読むことが困難(時間がかかる)

文字は読めるけれど、言葉のまとまりがわからない

といったものであると説明されている。

上の文章は、英語の文章をすべてひらがなで書いたものだ。

このような状態が日常で起きていることに私は衝撃を受けた。

知識としては、LDやディスクレシアは知っていたが

感覚的に体験すると、そのつらさや苦しさを感じた。

 

次に認知について述べられている。

認知とは

見たり聞いたりすること・・・知覚や注意

覚えること・・・記憶

考えること・・思考

これらの人間の脳内で働く総合的な知的活動のことを指している。

認知はさらに細かく分かれている。

この後、見ることと聞くことに注目して専門的なことが書かれている。

視覚からの情報を優先して脳が働いているのか

聴覚からの情報を優先して脳が働いているのか

それによって、情報を受け取りやすい方法が変わってくるということだ。

 

次に、記憶について述べられている。

人間が一度に記憶できる量は

7チャンク±2だと言われている。

109283749502810

つまり、上のような数字の羅列があったとしたら

5~9桁目まで覚えることができるということである。

だから、郵便番号は7桁、電話番号は6~8桁となっている。

脳のメカニズムにかなっていることに驚いた。

記憶について述べられている中で

聞き返しに関する内容が印象深い。

なぜ、聞き返しが多いのか。

私は、集中して聞いていないことからだと思っていた。

聞き返しは

注意の問題

記憶の容量が小さい問題

理解ができない問題

が絡んでいることがわかった。

注意とは、最後まで聞くことができなかったり

他のことに意識が向いてしまったりすることだ。

「よそ見しているんじゃない。」「ぼーっとしているんじゃない。」

とよく注意されてしまう人を想像するとわかりやすい。

記憶の容量が小さいのは、言葉の通り、覚えられないことである。

理解ができないのも、言葉の通り、聞いていてもわからないことである。

 

注意、記憶の容量、理解に課題があるにも関わらず

叱責されてしまったり、怒られてしまったりしては苦しい。

目には見えないことであるため

周囲からは、怠けている、だらしないと思われてしまい

なかなか理解されにくい問題であるから非常に厳しい問題であると思う。

 

また、ワーキングメモリについても述べられている。

ワーキングメモリとは

何か目的をもって思考するとき、必要な情報を一時的に記憶にとどめたり

過去の記憶の中から必要なものを参照したりする

「脳のメモ帳」と呼ばれているものである。

そこで、驚いたのはワーキングメモリは

ストレスやプレッシャーがかかると、非常に不安定になるということだ。

学習場面においても、生活場面においても

「早くやりなさい」「しっかりやりなさい」

とプレッシャーをかけてしまうことがあるが

それは逆効果であるといえる。

 

最後に、LDの学習指導のコツについて述べられている。

LDの子どもたちの知的水準はそこまで低くない。

そのため、周囲からの期待や本人自身の要求水準も高くなり

要求水準と実際の結果とのギャップが大きくなってしまい

自尊心が傷つきやすくなってしまう。

だからこそ

子どもの能力と個性に合わせた指導方法の工夫と

二次的な不適応の予防が最も大切だと書かれていた。

本当にその通りだと思う。

勉強でも生活でも教えながら

その子に合った方法を見つけてやり

得意な方法、やりやすい方法で

取り組めるように支援することが必要である。

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

知らないことを知ることは

やはりおもしろいことだ。

知識は、財産だ。By GACKT