U-----s blog

小学校の先生です。特別支援学級で子どもたちと楽しく過ごしています。日々感じたことを綴っています。通常学級の経験もあり

読書記録②

261

読書記録②

 

 

f:id:yuya0502:20200506101609j:plain

 

私の尊敬する先生である須永先生の御著書である

『自主学習 THE   REAL』についての読書記録を書かせていただこうと思う。

 

“やらせっぱなし”でも“隠れ強制”でもない 自主学習 THE REAL https://www.amazon.co.jp/dp/4183774195/ref=cm_sw_r_cp_api_i_EdHSEbCC6X4X6

 

気になった方は、ぜひ!

 

 

タイトルの通り

この本は、自主学習について書かれている。

第0章〜第3章の構成で

なぜ自主学習をするのかという根本的なところから

自主学習を具体的にどのように進めていくのか

やり方、アイディア、具体例、具体的場面、実際のノートなど

本当にわかりやすく納得しながら読むことができる。

非常に勉強になる1冊だ。

 

 今回は、第1章について。

『1学期 1年間無理なく続けるための「足場」を固める』

 

この章では、1学期に行うことが書かれている。

自主学習を導入するためのいろはである。

では、自主学習を始めるときに

一番最初に行うことは何だろうか。

それは、子どもの実態を把握することである。

生活リズムや習い事、宿題をする場所や時間など

簡単にアンケートをとる。

私は、やり方やフォーマットの指導から始めがちだったので

その前段階の準備の大切さを知ることができた。

ここで子どもたちの実態を把握することで

自主学習の量や頻度の判断、個別指導に役立させることができる。

1年間取り組むためにそこまで考えてのアンケートなのだ。

足場を1つ1つ作っていくことの大切さがわかる。

 

次にやることは

なぜ自主学習をやるのか考えさせることである。

第0章で教師自身が考えたが

子どもたち自身にも考えさせる。

自分なりの目的をもっていなければ取り組み方が変わってくるからだ。

これは1つに絞らなくてもいいとのこと。

そして、自分が大事だと思うことを

自主学習ノートの表紙や裏表紙に描かせる。

子どもたちの決意にもなるし、振り返りがしやすくなる。

チェックやこまめな振り返りが大事だが

私は、時間に余裕がなくて怠ってしまいがちだ。

すぐに開けて、見えるところに書いておくことで

その時間も簡単に作ることができるのはありがたい。

その後、教師の思いを子どもたちに語りかける。

大事なことだ。

 

そうして、いよいよ自主学習がスタートする。

スタートすると言っても

いきなり家でやっておいでと言うわけではない。

では、何をするのか。

これは驚きである。

須永先生と4年前に一緒に勤めていた時に聞いて

「えっ?」いう衝撃を受けたのを今でも覚えている。

その考え方に出会えたおかげで

学校で何か実践してみようと思う時に

私もやるようになった。

何をするのかは、ぜひお読みいただきたい。

 

また、自主学習を始めたときに意識したいことが

いくつも書かれている。

2,3紹介する。

1つは、最初からギアを入れすぎないことである。

「もっとやりたい」

と子どもたちが思うぐらいでいい。

1年間続けていくのだから

そのペースは調整が必要なのである。

私は、「もっとやりたい」と言われたら

嬉しくなってどんどんやらせてしまうのだが

少し制限をかけることで気持ちが高まっていく。

 

2つ目は、私にもできるを大切にすることである。

子どもたちの気持ちが高まったときに

「やりたいけどできない」という状況だったら

一気にやる気がなくなってしまう。

これなら私もできる、簡単だと

子どもたちに手ごたえを感じさせることが大切である。

子どもたちの心にさらに火をつける仕掛けというわけだ。

 

3つ目は、「ちょっと」を「しっかり」取り組ませることである。

少ない量をとにかく丁寧に取り組ませる。

丁寧に取り組ませることで

その子なりの丁寧さがわかる。

さらに、丁寧に取り組む習慣をつけることにもなる。

自分の丁寧さの基準がわかれば

その後の子どもたちはその基準を見ながら行うことができる。

また、少しの量なのに丁寧にやるだけでほめられるのだから

願ったり叶ったりである。

それぐらい最初の意識づけというのは大事だということがわかる。

 

この後、須永学級の実際の自主学習ノートが掲載されている。

本物も見たことがあるのだが

改めてノートを見ると、そのすごさがわかる。

子どもたちの学びに対する熱が伝わってくるのだ。

キャラクターが解説していたり

注目ポイントや大事なポイントをわかりやすく示していたり

楽しみながら取り組んでいるのである。

見ればわかる。

こんなふうに自主学習をさせてみたいと憧れる。

楽しく学べる方法を知ることができる

これほどまでに嬉しいことはない。

 

この章の後半では

自主学習ノートの構成や中身、活性化させる方法などが

具体的にわかりやすく書かれている。

1年間無理なく続けるために

少しずつ「足場」を固めていくことの大切さがよくわかる。

どうしても最初から

クオリティの高いものを求めてしまいがちだが

教師が冷静に、子どもたちの状況を把握しながら

進めていくことが何よりも大事だ。

 

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。