U-----s blog

小学校の先生です。特別支援学級で子どもたちと楽しく過ごしています。日々感じたことを綴っています。通常学級の経験もあり

読書記録③

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読書記録③『脳からわかる発達障害

 

今回は、第3章について。

この章では、ADHDの子どもたちについて書かれている。

ADHDとは、

日本語に訳すと、注意欠陥多動性障害である。

ADHDは、大きく3つに症状がわかれる。

不注意、多動性、衝動性である。

この特性の現れ方には、さらに3つのタイプがある。

混合型、不注意優勢型、多動ー衝動性優勢型である。

これらの症状は、行動抑制の障害によるものと考えられている

と書かれていた。

その後に

ADHDの子どもは、前頭葉の成長が追い付いてくると

行動が落ち着くと書かれていた。

年齢があがるにつれて

少しずつ落ち着きを見せるのはそのためかと

非常に納得できた。

 

また、ADHD

1/3は、成長とともに症状が改善して個性の範囲におさまり

1/3は、症状をもちながらもなんとか社会生活に適応し

1/3は、症状が重くなり適応状態が悪くなる

と書かれていた。

つまり、周囲の関わり方や支援の仕方、環境次第で

生きやすくなるということがいえる。

今までも子どもたちの将来に

教師は影響を与える存在であると認識していたが

特性をもつ子どもたちには非常に大きな影響を与えることがわかった。

これは、深く心に刻んでおかなければならない。

 

服薬についても書かれていた。

薬は、必要な時期に必要最小限服用し

状態が改善したら服用をやめる、という当たり前の使い方が妥当。

服薬により症状が改善されている間に

教育効果があげられるようにすることが不可欠。

非常に共感できる。

しかし、学校は1年ごとに担任が変わる。

その年が落ち着いていたとしても、次の年はどうなるかわからない。

落ち着いたからといって

薬の量や強さを変えるのは難しいところもあるかもしれない。

 

最後には、コントロール力を育てるコツが書かれていた。

望ましい行動に注目し、ほめるようにしたうえであれば

望ましくない行動に対しては注目しない。

多くの本で紹介されている指導法である。

ほめ方にもいくつかある。

全体の前でほめるのか、個別に呼んでほめるのか。

すぐにほめるのか、時間をあけてからほめるのか。

直接ほめるのか、別の人からほめるのか。

これらを組み合わせながらほめる。

さらに、具体的にほめることが大切だと私は感じている。

「えらいね」よりも「落ちているごみを拾ってえらいね」

「いいね」よりも「今の〇〇くんへの言葉は優しくていいね」

といったようにほめるのである。

言葉によって、自分の行動を頭の中で意図的、強制的に振り返らせ

強化していくのである。

これを地道に続けていると、子どもたちは穏やかになっていく。

 

また、目標を高くしすぎず、できることから始めることが基本で

目標が達成可能なものであること、挽回のチャンスがあることが大切

と書かれていた。

子どもたちは、失敗を積み重ねると自信や意欲を失っていく。

失敗をおそれてチャレンジすらしなくなってしまうのだ。

だから、目標達成可能な目標と挽回のチャンスが重要なのである。

 

この章で1番共感したのは次の言葉である。

『がんばろうとする気持ちを支えるのは自尊心や周囲への信頼』

自尊心を高められるように

周囲と信頼関係を築くことができるように

関わり、支援することが大切である。

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。